起業

◎勘定合って銭足らず

 計算上では利益が出ているのになぜか資金が不足している。利益分が資金として残っていない。 このような悩みを多くの経営者が持っています。 まさに勘定合って銭足らず。 なぜこのようなことが起こるのでしようか。

 すべての決済を現金で行えば、資金の流れが明確になり、現預金の残高をチェックしていればよいので管理も容易です。しかしながら、そのような事業はまずありません。 商取引においては売掛金、買掛金、受取手形、支払手形、在庫が発生します。 これらが勘定合って銭足らずの犯人なのです。

 いくら損益計算上赤字であっても資金が回っていれば会社は倒産しません。しかしいくら黒字が出ていても資金がショートすれば会社は倒産してしまいます。 いわゆる黒字倒産です。 できるだけ「利益=資金」という形になるよう工夫しましょう。

◎取引条件は慎重に

  ビジネスの世界では一般的に掛取引が行われています。そこで決済条件が重要になります。たとえば支払いを月末締めの翌月末払い、受け取りを月末締めの翌々月末回収としたらどうでしょうか。一ヵ月分資金が不足してしまいます。利益は資金としてではなく売掛金という形になっている状態です。この資金不足を埋めるためには、運転資金を調達しなければなりません。

◎在庫は資金のかたまり

 販売に備えて保有する在庫は資金がモノに化けていると考えましょう。在庫は売れて利益をつくるためにありますが、売れずにそのままであれば減損・陳腐化し、価値が下がります。 回転がよく、売れるものは「財庫」、ただ在るから「在庫」、売れずに資金が固定化・低減化するのが「罪庫」です。罪庫とならないよう、在庫はしっかり管理しましょう。

◎必要運転資金とは

 企業がどれだけの運転資金を販売活動のために調達したかは、売上債権 (売掛金、受取手形) +棚卸資産 (商品、製品、原材料など) と、買入債務 (買掛金、支払手形)との差額として貸借対照表から読み取ることができます。これらは非常に重要な項目です。

▼在庫回転日数…商品を仕入れてから販売するまでの日数。

▼受取回転日数…商品を販売してからその代金を回収するまでの日数。

▼支払回転日数…商品を仕入れてからその代金を支払うまでの日数。

 商品を仕入れ、販売し、代金を回収するまでの日数は、「在庫回転日数+受取回転日数」で計算します。また、商品を仕入れて、その代金を支払うまでの期間が支払回転日数です。この両者の目数の差は、運転資金の調達が必要となる期間を意味します。

 簡単にいえば、売上代金をいただく前に仕入代金を支払ってしまえば、その間、資金がショートするということです。 このような条件の場合、がんばって売上高を上げれば上げるほど資金不足が拡大します。働けど働けど金がなくなる、とぼやいている方は、必ずこの期間についての計算をし、条件変更など改善策をとる必要があります。

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