◎ヒト・モノ・力ネにかかる固定費
費用はその性質に応じて、2つに分類することができます。 売り上げに比例していく変動費と、売り上げには影響されず、事業を行っていく上でつねにかかる固定費です。
変動費の代表的な例は、仕入れ (売上原価) です。 つまり、売り上げがあればあるほど比例して増えていく費用をいいます。
固定費は変動費に該当しない費用で、人件費、家賃、減価償却費など、売り上げのあるなしにかかわらず、つねに一定してかかる費用をいいます。以下、主な固定費について説明をしていきます。
■人件費
人件費は、経営者の役員報酬や従業員の給与などですが、そのほかに福利厚生費などが含まれます。文字どおり、ヒトにかかる費用です。
■モノ・サービスにかかる費用
モノ ・サービスにかかる費用には、減価償却費、リース料、地代家賃など、事業を行うために使用するモノ (設備) にかかる費用と、通信費、手数料など、サービスを受けるためにかかる費用とがあります。
■力ネにかかる費用
事業資金を借り入れすれば、借入返済に利息がかかります。これがカネにかかる費用です。
◎固定費という経営資源
このように固定費はヒト、モノ、カネの3つに分類することができます。 そしてこの3つは経営資源と呼ばれており、この経営資源をいかに有効に活用するかが経営においてもっとも重要であり、かつ、戦略性を必要とするところです。
したがって会社の固定費をこの3つに分類して集計してみると、ヒトやモノにどの程度費用をかけているか、また、カネはどのように調達しているかといった、その会社の戰略が見えてくるのです。
◎固定費は固定しているのか
しかしそもそも固定費というのは、本当に固定して動かない費用なのでしょうか。よくいう構造改革とか事業の再構築は、財務の面からいうと固定費を削ることに相当しています。 すなわち正社員を契約社員にしたり出来高制にしたりするのはヒトにかかる費用を削減することに相当しますし、地代の安いところに引っ越すとか、電話を一般の回線からIP電話に変えるというのは、モノ・サービスにかかる費用を削減することに相当します。また、デリバティブ取引を使って資金調達金利を下げるというのは、力ネにかかる費用を削減することに相当します。
ですから経営者は、決して固定費を文字どおりまったく動かない経費だと思ってはいけません。これはあくまでも変動費との対比で使っている言葉であって、むしろ固定費を削るという過程のなかにこそ会社の無駄を省き、仕事のやり方をより効果的、効率的に改善していくヒントが詰まっているのです。











