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 設備を購入した場合は、購入したときに全額費用とするのではなく、その設備を使用する期間に応じて費用を割り振ります。これを減価償却と呼びます。 減価償却とは、設備投資をして取得した資産を使用することにより、その資産の価値が減っていくので、その価値が減った分を費用とする (償却する) ことをいいます。どうして減価償却をするのでしょうか。減価償却を行う理由は、主に2つあります。

◎適正な期間損益計算を行う

 適正な期間損益計算とは、事業年度ごとに正しく利益が計算されていることを意味します。

 具体例を挙げてみましょう。車を現金300万円で購入したとします。 この車は、新車で10年間使用する予定です。

 もし、これを初年度にすべて費用にしてしまうと、初年度にのみ300万円の費用が計上され、残りの期間は“無し”ということになってしまいます。この車は10年間売り上げを獲得していくために使用するわけですから、各年度の利益が正しく計算されているとはいえなくなってしまいます。

 正しい利益を計算するには、単純に考えれば、一事業年度に30万円ずつ割り振ればいいことになります。ただし、ひとつ問題があります。 それは、この例では10年間使用すると仮定していますが、何年間で使用するかということは前もってわからないということです。

 つまり、使用する期間に適正に減価償却を割り振ることは、実際には不可能な場合が多いのです。そこで一般的には、資産ごとにあらかじめ決められた耐用年数 (税法で定める標準的な使用年数) で割り振ることが一般的です。

◎設備投資が回収できたかどうか

 設備投資が回収できたかどうかを知る上で、減価償却をすることは有効な手段となります。

 設備投資が回収されるということは、その投資額相当の資金が稼ぎ出せているということであり、資金を稼ぎ出すためには、その分だけ利益が稼ぎ出せているということにほかならないのです。すなわち、各年度に減価償却額を計上して、赤字にならない、つまり、黒字であれば、その設備投資は回収できていると考えられるのです。

◎費用らしくない費用

 減価償却は費用として計上されますが、実際には社外に出ていかないお金です。 費用らしくない費用ですが、その分、課税対象所得は減少しますから、納税額が低くなる効果も持っています。

 いまから20年前のバブル経済のころ、日本では高額所得者の間でヘリコプターを買うことがはやっていました。ヘリコプターは速くて便利な乗り物ですから、実用上の理由で買う人もいたことでしょう。 しかし、当時ヘリコプターの購入がはやったのは、その減価償却を計上し、納税額を下げようという人が多かったからでした。航空機は傷みが早いため、通常の機械よりも償却年数が短く、その割には高額なので、毎年の減価償却を多く計上するにはもってこいの投資対象でした。

 米国では、減価償却の方法や年数を戦略的に変更することで景気を刺激し、設備投資を活性化させようとしたりしています。

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