「あなたは何のために経営を行っているのですか」、「どのような会社を目指しているのですか」。この根源的な問いに明確に答えられないのであれば、改めて経営理念をつくる必要があります。 なぜなら複数の人たちからなる人間集団である組織を正しく存続させるためには、企業の目的や使命を明らかにし、共通の行動基準や価値観を明確にする必要があるからです。
経営理念とは、たとえていえば大樹の根のようなものです。根が弱いと強い風 (経営上の問題) が吹いたら樹木はすぐ倒れてしまいます。会社経営を行うにあたっては、経営の基本的なあり方を表明した経営理念が大切なのです。
◎経営理念をつくるポイント
次の項目について考え、答えを出すことで、経営理念を作成することができます。安易に書くのではなく、じっくりと徹底して考えることが大切です。
①何のために経営をしているのか 経営者の生き方や会社の歴史を振り返り、創業時の熱い想いを思い出してみましょう。
②どのような会社にしたいのか 現在の事業内容の整理と目指すべき具体的な業務や役割を考えてみましょう。
③大切にしている価値観、人生観は何か 経営者の価値観が社員の価値基準や判断基準をつくる基礎になります。
④お客さま、取引先、仕入先に対する基本姿勢 お互いに成長し、高め合っていく共存共栄の関係をつくっていくことが基本です。
⑤社員に対する基本姿勢 もし社員がいなくなったらどうなるのかと考えると、社員のありがたみや存在価値が理解できます。
⑥地域社会や環境に対する基本姿勢 地域社会になくてはならない、存在意義のある会社であるにはどうしたらよいかを考えます。
◎経営理念をつくるのが目的ではない
経営理念では飯は食えない、とおっしゃる方が時折ありますが、それはその方の経営理念そのものに問題があったり、ただつくっただけで行動や実践に移していないからです。社員に経営理念を理解させ浸透させるためには、絶えず説明や唱和をすることです。 また外部にも積極的に発信し、会社の姿勢を理解してもらうことが重要です。
◎経営理念の浸透
本格的に経営理念を社内に浸透させるには、まず経営者自身が経営理念に沿った行動をする必要があります。人を大切にするというのであれば、まず社員やお客さまを大切にしなければなりません。 顧客満足を第一にするというのであれば、売り上げや利益を犠牲にしても、お客さまのために時間とコストを割くこともあります。経営の健全性というのであれば、経営者自らが不明朗なお金の使い方をしてはいけません。 社員は経営者がいったことを聞いて行動するのではなく、経営者のやっていることを真似して行動するのです。
また、経営理念は会社が変化に直面したときにこそ真価を発揮します。 たとえば経営者が交代したときです。 経営理念があれば新しい経営者の勝手な振る舞いも止められますが、経営理念がなければ誰も止めることができません。ですから、ぜひ素晴らしい経営理念をつくって実践してください。











