起業

 平成17年に成立した会社法により「有限責任事業組合<LLP=Limited Liability Partnership>」と「合同会社<LLC=Limited Liability Company」という2つの組織制度が新たに誕生しました。

 これらは株式会社・有限会社という「有限責任の物的制度」や、合名会社・合資会社という「無限責任の人的制度」に対する「有限責任の人的制度」として導入されたものです。したがって、従来型の組織形態に比べて経営の自由度が高く、構成員がそれぞれの貢献に見合った成果を手にすることができる組織形態です。

 資金力のある大手企業と先端技術を有するベンチャー企業とが資金・技術などそれぞれの強みを持ち寄って共同事業を行う場合、コンサルティングやデザインなど個人の特殊な知識や能力を必要とする事業を行う場合などに利用されることが期待されています。

 このLLPLLCの2つの事業体制度には、有限責任制と内部自治権の確立という共通する特徴があります。

◎有限責任制

 出資者は自己の出資額を限度として事業上の責任を負います。LLCは法人格を有し、LLPは民法上の任意組合の特例で法人格を有しません。

 法人格の有無の違いはあるものの、両者とも出資額を限度とした有限責任性が担保されるというのは大きなメリットです。

◎内部自治権

 出資者が自ら経営を行うため組織内部のルールを自由に決定できます。従来から建設共同事業体(JV=Joint Venture) のように、民法上の任意組合制度を活用して事業を行うことはできましたが、同じように出資額の多募にかかわらず、事業への貢献度に応じて利益配分や議決権を自由に決めることができます (ただし、民法上の任意組合においては、出資者全員が無限責任を負うこととなります)

 たとえば、研究開発の業績や能力を持っている人も、株式会社の場合には出資額に応じた成果の分配しか得ることができませんでした。それがこの制度を活用することによって、事業の成果に対して多大な貢献をした人は、それにふさわしい金額の収益を、出資額にかかわらず手にすることができるようになりました。

LLPの構成員課税制度

 前述のとおり、 LLPは有限責任事業組合契約に基づく事業体であり、法人格を持たない点がLLC とは大きく異なります。したがって、 LLC1人でも設立できますが、 LLPは2人以上の組合員が必要であり、各組合員は出資するだけでなく経営に関与しなければならない「共同事業性」がうたわれています。また、LLPは法人格を持たないので、法人税が課税されず、出資者に直接課税される「構成員課税制度=:パススルー課税制度」がとられるというメリットがあります。

 LLPLLCも、ともに起業や専門家集団による事業から高度な研究開発・産学連携、映画製作に至るまで、各々の有する人的資産と物的資産 (資金等) とを有機的に組み合わせる事業手段として利用価値が高いものです。また、法人も構成員=出資者のなれるので、企業同士の共同事業にも好適といえるでしょう。

 

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