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 過去の経験に基づく学習はいかなる思考においても重要ですが、まず過去について孝察した後、自分自身の立脚点を現在の時点から未来の時点に移して、未来から現在を見る思考法があります。これが戦略的思考法です。この戦略的思考法の特徴は、視線の方向です。未来から現在を眺めるため、過去の失敗にとらわれにくく、自由度の高い考え方ができます。

 前項に引き続き、マーケティング理論の基礎を、マーケティングの焦点という観点から紹介していきます。

◎分類の軸の選択

 消費者、顧客を分類する方法にはさまざまなものがあります。地域別、年齢別、所得別などの人口統計的区分がもっとも基本的なものです。高度成長期には、同じ地域、同じ年齢、同じ所得でも違った消費スタイルの人たちが増え、人口統計的区分では十分に説明できないということで、ライフ・スタイルによる区分が盛んになりました。

 分類の変数は無限にあります。そのなかからどのような基準で選択すればよいのでしょうか。

 フィリップ・コトラーは決定条件として「測定可能であり、アプローチができ、ビジネスとなる市場規模があること」という3条件を挙げています。

 これに現場での納得という条件を加えて考えることが必要です。具体的には「ブランドの発達の歴史、技術の発達の歴史、生活の発達の歴史の3点から納得できること」であり、それが市場の経験を反映させることになります。

 

◎ターゲティング

 ターゲティングとは、特定層にターゲットをしぼって持続的なマーケティグを展開することです。市場を構成するセグメント間の異質性が高まり、多様化が進んでいる市場に対応して、需要サイドのアプローチを政策的に考えることを意味しています。

 

■セグメンテーションからターゲティングへ

 90年代以降、市場を構成するセグメント間の異質性が高まって市場の多様化が進んでいます。市場の多様化に対応するためには、市場調査から得られた客観的な情報に基づいてセグメントをとらえ、かぎられた資源の上で、戦略的なセグメントの選択と、そのセグメントへの持続的で固有なマーケティングの展開が必要になってきます。供給サイドのセグメンテーション政策から需要サイドのターゲティング政策への転換です。

 従来、日本のメーカーが行ってきたマーケティングは、市場条件によらない、供給サイドからのアプローチだったと考えられます。その勝ちパターンの戦略は、松下幸之助の水道哲学に象徴されるコストリーダーシップ戦略と、携帯電話、iモード、デジタルカメラなどに典型的な、技術革新によって新しい需要をつくり出す需要変更戦略です。そして、そのようなアプローチが通用しなくなっているのが現在です。

 また、IT革命の進展によって、リサーチ(調査)とアクション(行動)との関係が劇的に接近し、情報とマーケティングアクションを結びつける持続的なマーケティングが展開できるようになっています。ターゲティング政策を実現する市場条件と技術的条件が整ってきかたということができます。

 

■ターゲティング政策推進のための課題

 ターゲティング政策を推進する上での課題は、3つあります。第一にターゲットを設定し、そのターゲットに接近する情報システムをどう設計するか。第二に、ターゲットごとに商品サービス、コミュニケーション、提供方法をパッケージにして、固有なマーケティングを設計し準備できるか。ここまでは特定層選別集中マーケティングの応用ですが、第三に、収益を確保するためのビジネスシステムをどう構築するかを考えていく必要があります。

 

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