はじめから高望みをした生活設計は厳禁です。スタートの数字がよいといって役員報酬を高く設定してしまい、後で「しまった!」となった話をたくさん聞きます。
生活レベルを高く設定すると大変です。後でレベルはなかなか下げられないものです。あくまでも収入の範囲内でいかに暮らすかを考えて、支出を柔軟にコントロールする努力が大切です。
起業をする場合、一番切実なのが毎月の生活費ではないでしょうか。いままで一定の収入があった人なら、なおさら重要な問題です。
◎ 生活費と事業資金の混在
よく見かけるケースが、生活費と事業資金を混在させている人です。いったい生活費とは何なのでしょう。読んで字のごとく、生活をするために費やすお金のことですが、この生活費の定義があいまいであるところに問題点があるのです。ある人は、過去にリッチな生活を送ったあとに起業をして、それなりにお金が必要になり、事業資金に手を出すかもしれません。また、お金に無頓着な人が起業をした場合、生活費と事業資金の区別がなくなることがあるかもしれません。いろいろなケースがあるにせよ、生活費と事業資金を混在させると会社は危うくなります。絶対に慎んでください。
◎ 気合で生活費は捻出できない
それでも起業の初期段階では、事業資金と生活費の区別があいまいになりがちです。
はじめから潤沢な資金がある方は多くありません。社長借入という形で、会社が社長からお金を借りて運営することも多く見受けられます。
しかし、その資金源は社長の生活費であることが多く、限度があります。「何とかなる!」と意気込んで、何とかなればよいのですが、無計画なばかりに会社も家計も破綻してしまうこともよくあります。計画さえきちんとしていれば何とかなったはずのケースも多いのです。
◎ 生活費は一定額を守る
会社の役員の場合には、役員報酬(毎月固定)が支払われます。起業した当時は、この役員報酬も事業資金に回すケースがありますが、役員報酬は生活費ですので、いざというときのためにプールしておくべきです。
当初の計画どおり事業を進めていき、きちんと生活費の額を守って経営をしていくのです。そうしないと会社は長く続きませんし、役員も初心を忘れ、会社の事業資金に手をつけることになり、その結果、公私混合が起きてしまうのです。
◎ 人はお金の使い方で評価される
江戸時代末期に疲弊した農村を立て直した二宮尊徳は,借金漬けの農民を救うために、収入の範囲内に支出を抑えて生活することを教えました。同時に必ず貯蓄を行う大切さも教え、さらに日々の仕事を改善して、労働生産性を上げる必要性も教えました。経営者の生活と仕事もこの要領で行なっていくことが成功への早道です。人はお金の稼ぎ方よりも使い方で評価されるものです。お金は賢く使ってください。経営者には、この魔物を上手に操る術が必要です。











