◎定款の重要性
「定款」とは何でしょう?それぞれの国に憲法があり、守るべき法律があるように、会社においても憲法があり、守るべき法律があります。会社の憲法とは「定款」です。定款は会社の最高規定であり、会社の根本的な事項を定めたものなのです。
◎定款=会社の性格
はるか昔につくられた商法が、めまぐるしく変化する経済の実態に合わなくなってきたために、平成18年に新会社法が施行されました。そこで重要視されたのがスピードと多様性でした。なかでも多様性という点において「定款」がクローズアップされています。経済実態の多様化に対応するため、さまざまな事項を定款に記載することができるようになりました。それによって会社の運営に関して選択の幅が広がり、独自性が持てるようになったのです。改正前の各社の定款はどこも似たり寄ったりで変わりませんでしたが、改正後はそれぞれの会社で独自の規定を設けることが可能となっています。つまり、「定款」による「自治」の範囲の拡大がなされたのです。たとえば、発行済株式100株のA社があったとします。株主構成はB氏99株、C氏1株とします。一見、株主構成をみればA社はB氏が支配していると思われますが、もし定款において、C氏に対し1株に総議決権数の過半数の議決権を与える旨の定めを置いてあった場合には、B氏が支配している会社とはいえません。このように、定款にはその会社にとって重要な独自の事項が記載されているのです。
◎定款の記載事項
記載される事項は、その性格によって次のようなものがあります。
【絶対的記載事項】必ず記載するもので、次のようなものがあります。商号、目的、本店所在地、発起人の住所・氏名などです。これが欠けると定款は無効になります。
【相対的記載事項】定款自体の効力には影響しませんが、定めなければ効力は生じません。つまり、会社法で定められた条文の規定を、会社法の許す範囲において別の規定に置き換える旨を定款に定めることです。新会社法では、とくにこの規定の定められる範囲を広げたのです。たとえば種類株式の発行や株式の譲渡制限、取締役会等の機関設置などです。
【任意的記載事項】記載しなくても定款自体の効力には影響しませんが、わかりやすくするためや確認の意味を込めて定款に記載するものです。たとえば事業年度や株主総会議長、取締役・監査役の数などです。
◎定款を活用しよう
新会社法下では旧法下の定型化された定款の時代とは明らかに異なります。たとえば、大きな会社との口座を開設する場合、取引相手に対し、会社の登記簿謄本だけでなく定款の提出を求められる場合も出てきます。つまり、定款は会社の顔にもなるものです。これから会社を設立する場合、設立する会社の将来像を見据えて定款を作成してください。また、旧法下で設立した会社の場合、これを機会に定款の見直し作業をしましょう。そして、定款のなかに社長の思いを反映させるのです。新会社法をうまく活用するには、定款の活用が欠かせません。











