起業しようとするわけですから、商売の基本である契約について、ある程度の知識は持っておかなくてはなりません。
◎日々の生活と契約
私たちは、普段コンビニエンスストアでおにぎりを買ったり、バスに乗ったり、家賃を払ったりしています。 これらも契約行為のひとつです。
たとえば、友達からゲームソフトを1000円で売ってもよいという話があり、私はその値段で買うと返事をしました。 これは、友達と私との間でゲー ムソフトを1000円で売買契約をしたことになるのでしようか?
◎民法では
民法の教科書的にいえば、「相対立する2つ以上の意思表示の合致によって成立する法律行為」が契約の定義です。これによれば、契約は意思表示の合致が必要ですが、書面を交わす必要はないのです。 書面を交わすか否かは、「いった」「いわない」のトラブルを防ぐための手段を講ずるかどうかの話にすぎません。 八百屋でキャベツを買うという売買契約ではいちいち売買契約書は交わさないし、虫が食っていたとすれば、おそらく交換してくれます。 契約書がないから交換しないなんていう八百屋もないでしょう。 つまり、この売買契約ではトラブルの発生率が少ないから、書面にしていないのです。
もうひとつこの契約で特徴的な点は、「売るよ」、「買うよ」という意思表示の一致とともにキャベツと現金の受け渡しが同時に行われるということです。 契約の成立は、本来は意思表示の一致 (約束) した時点であり、契約履行 (金品の受け渡しなど) の時点ではないということに注意してください。
◎契約書の作成
契約書をつくるという行為は、契約不履行の回避や、契約内容・条件をめぐってトラブルが発生するリスクを下げるために行うのです。 口約束は証拠にはならず、内容もあやふやになってしまいます。 また、契約書がない場合、引き渡しを受ける前にその商品が誰かの手に渡っていたとしても、その第三者には対抗できません。
日本では欧米に比べて詳細な契約書を交わさないことが多々あります。 一般に契約書というのは、物事がうまくいかなくなったときに必要になるものです。 すなわち、取り引きを始める前にお互いが暗黙のうちに合意して、その合意が裏切られることなく取り引きが完了したら、契約書は必要ありません。 ところがトラブルが起きて、改めて自分と相手との権利や義務を確認してみる必要が生じたとき、そしてそこでお互いの言い分が違う場合、契約書が重要になってきます。
契約書は、法律を使って相手と争う場合にも重要な役割を果たします。 ですから、もめそうな取り引きであればあるほど入念に契約書をつくっておくべきですし、関係法規も勉強しておく必要があります。











