自己資金だけでは足りない開業資金を調達するために金融機関を利用しますが、第三者、なかでも親身になってくれる両親、兄弟、配偶者の両親、親戚など、いわゆる身内から資金を貸してもらうこともあるでしょう。
◎身内からの借り入れ
民間の金融機関から融資を受ける場合と異なり、利害関係のない身内からの借り入れですので、多少の無理は承知の上でお金を貸してくれる可能性があります。
また、身内からの借金は、「有るとき払いの催促なし」という場合もあり、金融機関ではこうしたお金も自己資金であると見てくれるので、本当に助かる資金だといえます。しかしながら、身内からの資金の場合には、ややもすると甘さが出て、その後、大きなトラブルに発展してしまうことが少なくありません。
たとえば、身内間のお金の貸し借りでは、貸したという形でじつは「お金をあげた」という場合も多いのが実情です。
もしも「お金を貸した」のではなく「お金をあげた」のだとなると、税法上では贈与とみなされます。一定額以上の贈与の場合は、贈与税の対象になるので注意が必要です。
◎借用書をつくる
開業後に税務署の調査が行われる場合がありますが、その際に資金の出所がチェックされます。身内といえども借りたお金に関しては、きちんと「借用書」をつくり、返済の期間や条件などを記載しておかなければなりません。
身内以外に開業資金を貸してくれる可能性があるのは、友人・知人です。これまでよい人間関係を築いてきていれば、仲間の開業を応援する気持ちでお金を貸してくれる人もいるでしょう。しかし、気をつけなくてはならないのは、このお金の「意味合い」をはっきりさせておくことです。貸し手の気持ちの中に、「出資あるいは投資したのだ。きっと成功したら金利以上の何らかの見返りがあるはずだ」という期待が含まれていることが少なくないからです。したがって、友人・知人とはいくら親しい関係であっても「借証書」をつくり、いつまでに何%の利息をつけてどういう形で返済するのかを明確にしておくべきです。
◎落とし穴に注意
昔から「親しい人にはお金を貸すな」といわれます。それはあいまいなお金の貸し借りが原因で、これまで培ってきた人間関係を壊してしまうことが多いからです。慎重に対処してください。
【身近かな資金の調達法】
―借り入れのポイント―
①自己資金でどのくらい調達できるか
□ 預貯金
□ 退職金
□ 有価証券
□ 不動産
②身内からの借り入れで調達する
□ あまりあてにしない
□ 借用書は必ず書く
□ 借りたお金の性格を明確にする
③友人・知人からの借り入れで調達する
□ あまりあてにしない
□ 借用書は必ず書く
□ 借りたお金の性格を明確にする
□ まったくの第三者からの出資に注意
□ 短期間で返済できる範囲にする











