ここに挙げた3つの壁は、起業後にぶつかる可能性の高い、代表的な壁です。
実際のところ、起業した方にとっての壁は、3つどころではありません。いったん起業するといろいろな壁にぶつかっても立ち止らず、壁をどう突破すべきかを熟考し、自身の力で一つひとつ乗り越える。そうすれば真の経営者にまた一歩近づくはずです。
◎時間の壁
人間はぜいたくなもので、時間がないことを言い訳にすることが往々にしてあります。この時間の壁は、まさに永遠の課題でありますが、いざ起業をすると本当に時間がないことに気づきます。スピードの速い今日、時間が足りないのは当たり前のことであり、それをどう使いこなすかが問題です。
時間が足りないから事業がうまくいかないという声をよく聞きますが、それこそ時間の壁を乗り越えられない状態にあるのではないでしょうか。
では、経営者は一般にどうしているかというと、時間が十分にある人を見つけて仕事をその人に任せ、自分は他の仕事をして時間をつくっているのです。
◎生業の壁
起業をしていわゆる企業にしていく方と、起業したものの生業(家業)で終わらせる方とを対比する見方があります。これは本来、どちらがよいというものでは決してありません。起業をしてからは、企業に発展させるもよし、家業でいくもよし。それぞれの利点を生かせばよいのです。
◎アイディアの壁
この壁は、なかなか手ごわい壁です。前出の2つ壁よりも深刻な問題となることでしょう。アイディアを別の言葉で表せば、「気づき」といい換えられるかもしれません。事業を行ってみるとわかりますが、柱となる事業は決まっても、それを数字(売り上げ)に変換していくことは難しいことです。
そうしたとき、よく耳にするのが、何かよいアイディアがないでしょうかという言葉です。まさに人だのみです。この壁は、社長自身なり社員なりが、日常の仕事を通じて突破すべきものです。
GEの前CEO、ジャック・ウェルチは、アィディアというものは「バイオ」のような難しいものではなく、請求書を間違いなく発行するようなことであるといっています。このような、日常での気づきがアィディアであり、事業の柱を強固にしていくのです。
◎人の絆
こうして3つの壁を突破して起業をするとき、最後に経営者を救ってくれるのは人の絆、すなわち友達です。社内や社外に心を許せる友達がいるか。取引先やお客さまに自分の成功を願ってくれる人がいるか。最後はお金でも法律でもなく、人の絆が会社を救ってくれます。
起業をするときにはともすると人の縁より仕事の縁、カネの縁を優先させてしまうことがあり、逆に人の縁は悪縁をつかんでしまうことがあります。経営は最後は人ですから、起業のときから気をつけてください。











