資金繰表というと難しく考えがちですが、いわば家計簿の事業版です。家計簿上でお金がなければ、預金を取り崩すか借りるかです。それが慢性的であれば、まず、お父さんの小遣い削減かお母さんの無駄遣いの自粛かとなり、最後は家族会議です。これを会社にたとえれば、まず社内の経費削減です。
それは営業経費削減か製造経費の削減かとなり、最後は取締役会の招集です。
資金繰りの状況把握にはいくつかの道具があります。資金繰表は現金や預金の収支を把握するために利用され、収入と支出を分類・集計して、資金の過不足、資金調達、次期に繰り越せる資金をひとつの表にまとめたものです。
◎ 資金繰表の目的
資金繰表の目的は、資金計画と実績を比較検討し、経営の軌道修正に役立てることです。資金の予測と実績を検討するサイクルを確立するためのツールということもできます。資金繰表は、損益計算書や貸借対照表のように決まった書式はありません。自分に合ったものを選ぶことが長続きするコツです。
次ページの表は一般的な書式ですが、最初は収入と支出だけを分類する簡易な表から始めるのがよいです。資金管理に慣れてくるにつれて、細分化した表(たとえば、収入支出を経常収支・設備等収支・財務収支に分割するなど)もつくるとよいでしょう。
◎ 細分化した表
資金繰表の期間も年別、月別、日別と徐々に細分化していきましょう。ただし、日別資金繰表の場合、収支および残高を、現金と預金に分けたほうがよいでしょう。その収支が当座預金なのか普通預金なのかを把握しておかないと、残高不足を招く恐れがあります。この「一般的資金繰表」は、収入と支出を予測し、それに財務上どのように対応していくかを計画するという考え方でつくられたものです。
◎ 予定と実績
資金繰予定表のほかに、資金繰実績表もつくりましょう。資金繰実績表は過去の実績を集計するものです。この資金繰実績表は、将来の予測の補足資料としてではなく、資金繰りの実態を見るためのものです。資金繰予定表はあくまで予定であり、計画です。実績とはズレが生じますから、そのズレを把握し、対処するためのものなのです。まさに計画(Plan)、実行(Do)、検討(check)、対策(Action)です。
とくに収入の予測をするのは難しいものです。小売業などでは毎日の売上予測もたてなくてはなりません。前年の実績と曜日を考慮し作成しましょう。予測額と実績額の誤差を少なくすることは、決して無駄にはなりません。日々その売上目標に対して努力をすることは、資金繰り以外にも経営面でのさまざまな効果が期待できます。
■一般的資金繰表 ( 月)(単位:千円)
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予測 |
実績 |
差額 |
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|
前月繰越① |
1.000 |
1.000 |
0 |
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収入 |
売上 入金 |
現 金 売 上 |
20.000 |
19.000 |
▲1.000 |
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売 掛 金 回 収 |
31.200 |
32.500 |
1.300 |
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|
受 取 手 形 入 金 |
― |
― |
― |
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|
そ の 他 入 金 |
― |
― |
― |
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計② |
51.200 |
51.500 |
300 |
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|
支出 |
仕入 支払 |
現 金 仕 入 |
12.500 |
13.000 |
500 |
|
買 掛 金 支 払 |
8.000 |
8.000 |
0 |
||
|
支 払 手 形 決 済 |
― |
― |
― |
||
|
人 件 費 |
20.000 |
20.000 |
0 |
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|
諸 経 費 |
10.000 |
9.900 |
▲100 |
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|
支 払 利 息 |
200 |
200 |
0 |
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|
雑 支 出 |
― |
― |
― |
||
|
資 産 購 入 |
― |
― |
― |
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計③ |
50.700 |
51.100 |
400 |
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差 引 過 不 足 (②―③) |
500 |
400 |
▲100 |
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財務収支 |
借入 |
手 形 割 引 |
― |
― |
― |
|
借 入 金 |
― |
― |
― |
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|
借 入 金 返 済 |
▲300 |
▲300 |
0 |
||
|
財務収支計④ |
▲300 |
▲300 |
0 |
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|
次月繰越①+②―③+④ |
1.200 |
1.100 |
▲100 |
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