値引きは経常収支にすぐに跳ね返ります。仕入れが80円の商品を100円で売っていました。それを90円で売ると1.5倍の商品数が出るとします。あなたは値下げをしますか?答えはノーです。仮に現在100個の売上数があるとすると、売上金額は、1万円から1万3500円に増加します。しかし、仕入金額は8000円から1万2000円になり、経常収支は2000円から1500円に減ってしまいます。
先に紹介した資金運用表は,貸借対照表をもとに作成されていました。それに対して資金移動表は、損益計算書をもとに作成されています。損益計算書は、発生主義に基づいて作成されます。
そのため、通常、売り上げは納品したときに計上され、それが現金売上か掛売上かは問いません。掛売上であれば、たとえば納品後、一ヶ月あとに売上代金が振り込まれることになります。このズレが資金繰りを圧迫するのです。資金移動表は、損益計算書を現金の流れに基づいて把握し直していく表なのです。資金移動表は経常収支と経常外収支に分けて考えます。
◎ 経常収支
経常収支とはその会社の営業活動を通じて経常的に発生する収支を現金ベースでとらえたものです。たとえば、売上高が1200万円あっても、売掛金が200万円増加していれば、現金化されたものは売上高のうち1000万円となります。
このなかには売上収入、仕入支払、経費の支払いのほか、受取利息や支払利息などの営業外収支も含みます。
◎ 経常外収支
経常外収支とは、運転資金以外の収支をいい、固定資産の取得や売却、資本金の増加などの資本収支と、借入金の入金や借入返済、手形の割引などの財務収支に分けられます。資金移動表を見る際には、経常収支がプラスであることを確かめることが必要です。
もし経常収支がマイナスであれば営業活動で資金が流出していることになり、この会社は営業活動で生じた資金不足を借り入れによって補填している会社と見られます。そのような会社は、営業活動そのものを見直す必要が出てきます。具体的な資金計画では経常収支が重要であり、金融機関がもっとも重視する表のひとつです。
会社の経営実態が明確に現れるのが現金の流れであり、資金移動表は非常に参考になります。とくに、売り上げや仕入れの計上時期とお金の出入りの時期がずれている会社の場合には、資金移動表をよく見て経営の実態を確認しておく必要があります。会社の血液である資金の流れをしっかり把握しましょう。











