決算書は見る人の立場によって注目点がみな違うものです。では、銀行は会社の決算書をどのような視点で見ているのでしょうか。銀行は会社に融資をして、期限どおり返済をしてもらうのが仕事です。
ですから、銀行が注目するのは、果たしてこの会社に融資をして約束どおり返済してくれるかどうか。それがどれくらいの確率で確かといえるのか、という点なのです。
銀行が見る決算書のポイントはどこでしょうか?まずは融資できる会社かどうかを見ます。つまり、貸したお金が返ってくるかどうかです。次に、融資できるとすればいくらまで、期間は何年が最長でいくらの金利で、という条件です。その場合、銀行が注目する重要ポイントが3つあります。
◎ 銀行が注目する重要ポイント
■ 1 粗利益率(付加価値率)
まずは粗利益が売り上げに占める比率、粗利益率です。小売業、卸売業、サービス業などの場合、付加価値率ともいわれます。原価に何%の利益をのせて売り上げとしたのかがわかります。この粗利益率が同業他社より高いということは、それだけ付加価値、すなわち、その会社が原価にプラスできる価値、またはお客さまが認めてくれる価値が大きいことを意味しています。
粗利益率 = 付加価値 ÷ 売上高 × 100
■ 2 自己資本比率
他人資本と自己資本を合わせたものを総資本といいます。総資本に占める自己資本の割合を示すのが自己資本比率です。たとえば、A社は総資産(総資本)が1億円、負債(他人資本)が7000万円だとします。すると、3000万円は自己資金、すなわち自己資金ですから、3000万円を1億円で割った数字、30%が自己資本比率です。仮に、総資産が10億円のB社があり、負債が9億7000万円だとしたら、A社はB社に比べて規模は小さい(10分の1)ですが、負債の割合は少なく-自己資本の割合が多く-、「よい会社」だといえます。会社は決して大きい、小さいではありません。自己資本比率の高い会社こそ、安定度が高い、「よい会社」なのです。
自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資本 × 100
■ 3 経営安全率
決算書をもとに、「経営安全率」という比率を求めることができます。これは、あと何%売り上げが下がったら損益がトントンになるかという数字です。たとえば、あと20%売り上げが下がったら損益トントンになる、というA社と、あと2%売り上げが下がったら損益トントンになるというB社とでは、どちらが「よい会社」でしょうか。もちろん、A社のほうがよい会社です。経営安全率の高い会社は安定度も高い会社です。これらの他、さまざまな視点を加えて銀行は融資における判断をしています。
経営安全率 = (売上高 ― 損益分岐点売上高) ÷ 売上高 × 100











