たとえば計業利益がプラスだったとします。しかし、火災があって倉庫の一部が焼け、特別損失が出てしまった結果、最終的な利益である税引後利益がマイナスとなってしまいました。これは赤字でしょうか?たしかに赤字は赤字ですが、心配のない赤字ですね。火事が毎年あるわけではなく、事業ではプラスなのですから。数字の意味を読むことが大切です。
◎ 利益の大切さ
バブル時代から20年近くが過ぎました。銀行は企業の業績や利益計画をしっかりと把握した上で、融資するかどうかを判断する姿勢に変わっています。銀行がもっとも重要視するものは利益です。企業は借り増しなどをしないかぎり、利益のなかから銀行の借入金を返済します。利益がでない会社は返済余力が赤信号です。しかし、この利益には5つの違った利益があります。売上高から費用を順番に差し引いていって、①売上総利益、②営業利益、③経常利益、④税引前利益、⑤税引後利益となり、これらを順番に計算していくのが損益計算書です。
◎ 損益計算書の意味
損益計算書は、会社が何に、どれぐらいの費用を使って、どれくらいの利益を生み出したか、あるいは損をしたかを表す、通信簿のようなものです。逆に言えば、会社はその年度でどれくらいの収益(売り上げ)を上げることができたか、その売り上げを上げるのにどれだけの費用がかかったか、その結果利益がどうだったかを一覧できるのが損益計算書なのです。たとえば、経常利益はマイナスだったが、長年持っていた土地を売った儲け(特別利益)が多くあり、最終的な利益である税引後利益がプラスだったとしましょう。果たして黒字といえるでしょうか?黒字は黒字ですが、心配のある黒字ですよね。
ところで、5つの利益のなかでもっとも重要なのが経常利益です。企業が経常的に活動したときの1年間の利益を表します。一般的には、事業・営業での利益である営業利益から、雑収入・雑損失を加減し、金利を差し引いたもので、いわゆる黒字、赤字はこの利益を指していることが多いのです。
◎本業の利益が第一
最近では、企業活動のなかで効率的な資産活用や財産運用、あるいは効果的な不良債権処理など、本業以外の部分の大切さが強調されることが少なくありません。利益でいえば営業外利益や特別利益をどうするかというところに大きな注目が集まっています。しかし、会社というのはいつの時代も本業が第一です。本業で利益を出せなければ、会社は本来の役割を十分に果たしきっているとはいえないのです。健全な利益があるからこそ、会社は将来にわたって社会に役割を果たし続けられるのです。
【 ①売上総利益 】 「粗利益」ともいい、「100円で仕入れた商品を120円で売 ると20円の儲け」というときの「20円」のことです。 【 ②営業利益 】 粗利益からその商品を販売するのにかかる諸経費(人件 費、旅費交通費、光熱費など)を差し引いたものをいいます。本業の営業での利 益のことです。 【 ③経常利益 】 営業利益から本業以外の収入や経費を加減したものを指し ます。預金の利息や、かけた保険の満期収入などを加え、銀行への支払金利な どを引いた経常的に活動している場合の利益です。 【 ④税引前利益 】 経常利益から、特別な利益、特別な損失を加減したもの が税引前当期利益です。特別な利益・損失とは、何十年に一度かの土地の売却 利益、火災や盗難の損失を指します。 【 ⑤税引後利益 】 税引前利益から法人税や事業税、住民税などの税金を 引いたものが税引後利益です。 【5つの利益の意味】











