【事務所通信2月号】
いつもお世話になります。中国の故事『晋書』(しんじょ)の中にある「使我身後、不如即時一杯酒」とは、「自分の名が後世に残るよりは、今、一杯の酒を楽しんだ方がいい」という意味です。何が幸せかの問いに、昨年来日されたブータン国王夫妻の姿が思い出されます。目の前にある小さなことを大事にしたいものです。
【「法人成り」した場合の税務上の注意点は?】
個人事業主が事業を法人化することを、一般的に「法人成り」といいます。以前に、その「法人成り」について少しアドバイスをさせていただいた個人事業主の方から、「法人成りを考えていますが、法人化する際の具体的な注意点について教えていただけないでしょうか?」というご相談を受けました。
「法人成り」をした年の所得税の確定申告では、「個人事業の廃止」「個人資産の法人への引継ぎ」「法人からの給与の支給」など、様々な所得が発生し確定申告が大変複雑になります。例えば棚卸資産を法人へ譲渡する場合、通常の販売価額の70%未満で譲渡すると低額譲渡に該当します。その場合には、譲渡した販売価額と通常の販売価額の70%に相当する金額との差額を総収入金額に算入しなければなりません。また、個人事業主のままであれば翌年の必要経費となる事業税を、特例的に見込み額で廃止年分の必要経費に算入できるなど特殊な取扱いも生じます。
その他では、例えば棚卸資産以外の土地建物を法人に譲渡すれば「分離課税の譲渡所得」、車両や備品などの固定資産であれば「総合課税の譲渡所得」として税金の計算を行います。さらに法人化後は、法人から給与を受け取るため給与所得なども生じます。このように個人事業を法人化する際には、通常の年とは異なる特殊な取り扱いが発生することが注意点となります。
今月の商売のヒント:【「それ」がものを言う】
いきなりですが質問です。
「1億円・良い評判・権力」この中でいちばん「ものを言う」のはどれでしょう。ある大学で、学生たちに一人の教授の力量を評価してもらう実験が行われました。学生を2つのグループに分け、Aグループには教授の授業風景を2秒見ただけで評価してもらい、Bグループは1学期の間ずっと教授の授業を受け、それから評価してもらいました。果たしてその結果は、グループAとBで評価がほとんど変わらなかったそうです。状況や人物を瞬時に判断した場合も、半年以上の時間をかけて判断した場合も、そのもの自体への評価はほとんど変わらないとしたら、評価の正確さは時間に比例しないことになります。
もう1つ、カリフォルニア工科大学での実験です。手の込んだ方法で同じワインを異なる値段で飲ませたところ、被験者は「高い方が美味しい」と判断したそうです。しかもその際、脳の価値判断にかかわる眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)という部分がより活性化する傾向にあったのだとか。これはワインに限った話ではないでしょう。高いから美味しい。高いから効果がある。高いから優越感に浸る。なんとも単純な発想ですが、良いラベルが貼ってあれば良く見えるし、ラベルがお粗末なら中身もお粗末に思われるという実によくある話です。また、一度下された評価は時間が経ってもほぼそのままで、しかもその評価は「中身」より「ラベル」の方がものを言うのです。
この指摘は商売においてかなり重要なことです。要するに、「できるだけ良い評価をもらえるようなラベルを自分自身に貼っておきましょう」ということで、裏を返せば、多くの人は悲しいかなその程度の評価力しか持ち合わせていないともいえます。だからこそブランディングは大事で、ブランド商売は強固なのでしょう。お金より権力より良い評判。商売の成功を願うなら、くれぐれも評判を落としてはなりませんね。
【トレンドを斬る】
都市の発展を体感できる立体地図パズル『4D CITY SCAPE TIME PUZZLE』が売れています。ニューヨークやロンドンなど世界の主要都市のうち人気はやはり東京。
まず昭和33年の下層と現代の上層の平面図2層を組み立て、その上に代表的な91の建築物の立体模型を東京タワーからスカイツリーまで建設年表に従い年代順に立てて完成させます。古き良き昭和へのノスタルジーと大都市への移り変わりを手元で感じ取れるアナログさが大人たちの心を捉えているようです。
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